自分の絵の善し悪しを、判断する基準

 

制作中、または完成した絵画が、良いか悪いかを判断するのは難しいものです。

なぜなら、制作中や完成直後は以下の2点をともなうからです。

(1)制作中は、制作中の作品に一番思い入れがある

制作者は基本的には、新しい作品が一番良いものになることを願っています。

その気持ちが強いため、作品の良いところを見ようとする意識が強くなってしまいます。

(2)部分的な課題に意識が向くためその課題解決が善し悪しに直結しやすい

新しい作品を描く時は、以前に描いた作品でできていなかった点を改善する。

または、新しい要素にチャレンジする。

といった課題を持って制作に取り組みます。

そのため課題の達成具合を、作品全体の善し悪しに結びつけてしまいやすいのです。

上記の2点により、自分自身の絵が良くできたか悪くなったかを、はっきりと判断することが難しくなるのです。

もちろん、指導者や身近な人に意見をもらって客観的に善し悪しを判断することも大事です。

しかしできれば、自分自身で自分の絵画の善し悪しを判断する基準がほしいですよね。

そして、その判断の基準はとてもシンプルです。

それは、

「自分の絵をどれくらいの時間見ていられるか」

です。

制作中に判断したい方は制作中に、完成後に判断したい方は完成後に、

自分の絵を “じっと見つめる” のです。

見つめてすぐに、“見たくなくなった場合” は、自分で良いと思えていない証拠です。

“何かの要素” が、ずっと見続けることを邪魔しているのです。

その要素が、次の課題となるのです。

逆に、飽きずにずっと見続けられる作品は、あらゆる絵画的要素がうまくいっている可能性が高いです。

少なくとも、それまでの自分の価値観を満たす作品となっているはずです。

視点の誘導、明暗のバランス、色彩のバランス…。

ずっと見ていたいという魅力を持っているはずなのです。

客観的に自分の作品の善し悪しを判断するために、しっかりと自分の絵を見つめましょう。

 

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