混んだ美術館での整列

 

 
美術館は、行く時期や曜日、時間帯によって、混み具合に差があります。
 
私は美術館にいくとき、極力混む時期を避けるようにしています。
それでも、「人気の美術館」や「人気の展覧会」では、どうあがいても混んでいることがあります。
 
なぜ混み合う美術館を避けるのか。
 
混んでいると、ゆっくり作品を鑑賞することができません。当然ですね。
混んでいる状態自体、作品への集中力を削がれます。
 
そもそも、作品は周囲との “空間” と強調して、その魅力が発揮されます。
人で埋まった室内は、その魅力が損なわれるのです。
 
 
混み合うことでの最大の問題があります。
 
それは、“全体の鑑賞スピードが決められてしまう” ことです。
 
これはどういうことかとか。
混み合う展示室では、自然と一つずつの作品に “人” が集まります。
その結果、一番作品に近い人から “順” に作品を見ることになります。
“作品に整列する”、ということです。
 
ここからが問題です。
 
並んで作品を見終わった人は、次の作品を見ることになります。
その時、次の作品へ行くまでの空間に “整列する” 人たちがいます。
 
この “整列” に入ったら終わりです。
延々と、その “整列” の進行スピードが、鑑賞スピードになってしまいます。
 
この瞬間、自分の鑑賞スピードは失われてしまうのです。
 
作品を個々に待つのなら、まだ仕方がないのです。
しかし、鑑賞スピードを最初から最後まで決められてしまうのは苦痛です。
 
だからといって、他の鑑賞者を押し退ける訳にもいきません。
結局、現状の美術館システムですと、「我慢する」か「極力混む時期を避ける」しかないわけです。
 
誰か画期的システムを考えてください(笑)
 
 
 
 
 
 
 
 

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