〆切が作品におよぼすもの

個展やグループ展など、展示には締め切りがつきものです。
直前にせまって、ようやく制作をはじめるアーティストもいるでしょう。

さて、締め切りギリギリから制作することは問題でしょうか。

私は、全く問題ないと考えています。
「締め切り」が作品の生産性、およびクオリティを高めるのに効果絶大だからです。

「締め切り時間が確定する」ことは、完成後の“作品質量” が計れることになります。
(作品質量とは、作品サイズに対して、手を入れる量のことです。
作品のクオリティを判断する一つの基準として、私が便宜的に使っている言葉です。)

締め切り時間が決まるということは、制作開始から制作終了までの「制作時間」も確定します。

ちなみに、「締め切り時間まで、まだまだ時間あるな〜。まだいっか」は、制作が始まっていないため、「締め切り時間が確定する」ことにはなりません。

制作時間が決まると、「作品サイズ × 手を入れる量」も目安がつきます。
すなわち“作品質量” が計れるということです。

しかし、“作品質量” を“計れる”と書きましたが、“計れる” とは、作品質量の限界を意味しているのではありません。

制作時間が決まっても、生産性を上げる工夫をすることで作品質量はいくらでも上げられます。
制作段取り、タッチのスピード、画材の選定、自分以外の手を借りる、など工夫できることも無限です。
この工夫こそが、制作スピード、生産性、発想スピードを飛躍させます。

こういった工夫は、締め切りなく制作している時はあまり必要がありません。
しかし、ひとたび締め切りが決まると、工夫にせまられるのです。

そして締め切りに迫られる回数を増やせば増やすほど、制作スタイルが進化するのです。

普段から、締め切りを決めて制作することをオススメします。
ただし、期待してくださる方を裏切らないよう、しっかり完成させることをお忘れなく。

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