【美術館関係者の方】“鑑賞時間”表記義務を提言します

展覧会を鑑賞する時、いくらでも時間をかけられる場合もありますが、次の予定があり、

鑑賞時間が限られている場合があります。

その場合、予想外に点数が多く鑑賞に時間がかかると、焦ってしまいます。

急いで鑑賞してしまい、後半の展示作品をよく覚えていない、となることもあります。

鑑賞時間が限られている時のために、美術館には、“鑑賞にかかる合計時間” を提示してほしいと

常々思います。

「アートは自由に見るものだから、鑑賞時間は自分で事前に調整すべき」

との意見はごもっともです。私も基本的にはそうだと思っています。

しかし、現代アートには『ビデオアート作品』があるんです。

『ビデオアート作品』は映像作品のため、「再生時間」が決まっています。

この再生時間は、事前に把握できないことがほとんどです。

この「再生時間」をビデオアート作品と一緒に銘記している美術館もあります。

しかしそれだと、展示をまわり、個別のビデオアート作品まで辿りつかないと、

再生時間を知ることができません。

そのため途中まで時間に余裕があったはずなのに、不意打ちで “再生時間 15分” の作品が現れて、

「えっ、今から15分この作品!?」となるわけです。

そして、ビデオアート作品は一部だけ“チラ見”して、次の作品に行くことになります。

どんな作品か知らないのに、「一部だけを見て作品全体を予想する」という芸当を

余儀なくされるのです。

これは、絵画や彫刻ではありえない鑑賞方法です。

ビデオアート作品やアニメーション作品も、他のメディアで作られた作品と同様の

手間がかかっています。

他のメディアで作られた作品と同様に、作品全体(全再生時間)を見るべきではないでしょうか。

そしてその障害となるのが、「事前に再生時間を知らない」ことなのです。

ビデオアート作品が少ない展覧会はまだ大丈夫です。

しかしビデオアート作品が多い展覧会は、鑑賞時間が全く読めなくなります。

ビデオアート作品全ての合計時間が、数時間におよぶ展覧会があるからです。

これってかなり厳しいですよね。時間にゆとりがある場合にも、限度があります。

朝一番から見れば昼には食事したいですしね。

主催側から「まあ、適当に端折って見といてよ」という声が聞こえてきそうです。

そこで、私は美術館関係者の方に、以下を提言いたします。

・ビデオアートが展覧会に含まれる際は、「鑑賞時間」を「展覧会期間」などと同様に記載すること。

・都合上、鑑賞時間を展覧会期間などと併記が難しい場合でも、WEBには記載すること。

・鑑賞時間を記載する際は、ビデオアート作品やアニメーション作品など

“全ての映像作品の合計時間” を記載すること。

・可能であれば、ビデオアート作品やアニメーション作品の個別の再生時間を記載すること。

いかがでしょうか。

美術館にとっても、映像作品を手がけたアーティストにとっても、

作品を時間をかけて見てもらえるようになると思います。

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