アーティストによっては、自分の絵が人に好かれるか、あるいは嫌われるか、
を気にしながら制作しています。
しかし、世の中には、好かれる絵と嫌われる絵は存在します。
そして作品を完成させた瞬間から、その絵は“好かれる絵であり、嫌われる絵” になります。
なぜなら、絵はそれぞれに属する世界があり、完成させた瞬間からいずれかの世界に属する絵になるからです。
Aという世界にある絵は、Aの世界の人にとって、もっとも素敵な作品です。
つまりAの世界にいる人は、Bという世界にある絵を、Aの世界にある作品より評価することは、ほぼありません。
そして、絵が属する世界同士の間で、相性があります。
ある世界とある世界では、尊敬し合い、ある世界とある世界では、批判し合う。
といった相性の差があります。
相性が合わない世界同士は、互いの絵を批判し合うことになります。
自分の世界の絵は好きだけども、相性の悪い世界の絵は嫌い、となるわけです。
そのため、作品を完成させた瞬間から、“好かれる絵であり、嫌われる絵” になるのです。
絵は人間ではないことから、しばしば批判され過ぎることもあります。
しかし、批判され過ぎた場合は落ち込むべきではありません。
むしろ、批判を受けるのはいずれかの世界にどっぷり属したことの証拠です。
それに気づけたことを、良しとしましょう。
アーティストは、自身が生んだ作品がどの世界に属すかを知り、属した世界での評価を参考にすれば良いのです。
他の世界に属する人の批判だと認識できれば、批判を容易に受け流せるのです。
そのために、まずは絵画における各世界が、どんな相関関係かを把握することです。
そうすれば、自身がどの世界に属したいかがわかります。
アートは素晴らしさを競う側面が歴然とあります。
そのために、優劣をつけ、好き嫌いが生じるのです。
アーティストは、自身の作品に対する批判と賞賛の理由を把握し、安定した制作活動をしていくべきなのです。