現代アート作品には、コンセプトが必要です。
なぜ必要か。それは、作品の価値を高めるのに大きな効果があるからです。
コンセプトのない作品は “見た目” だけで勝負する作品となってしまいがちです。
そしてコンセプトがある作品は、「見た目の意味」さえも深める効果があります。
では、コンセプトとは何でしょうか。
直訳すると「概念」ですね。
以下は、2014年3月30日現在の『Kotobank.jp』から「概念」の意味を一部抜粋します。
「概念とは,個々の対象,いわゆる個物(個体)よりも複数の個物を包括的,概括的に捕捉する,人間,広くは生物体の対象把握の一根本的形式とその成果をいう。」
つまり、自分の家族や友人を「人間」として “共通認識” するのが「概念」ですね。
そして、私が考える現代アートでの「コンセプト」とは、
“鑑賞者へ提示する共通認識”
です。
つまり作品を見る鑑賞者に、“ある考えや思いを抱かせる”ことが、「コンセプト」がある作品なのです。
コンセプトが強い作品は、鑑賞者を特定の共通認識までもっていく力が強かったり、共通認識として提示される内容そのものが強いのです。
作品にコンセプトがある、ということは作品が以下の価値を持つことになります。
・造形的な価値(見た目の価値)
・コンセプトの価値
・コンセプトの表現方法の価値
そうです。
通常の作品が持つ価値(見た目の価値)に、2つの価値が加わっていることになります。
もちろん、コンセプトは何でも良いわけではありませんが、この価値が入っているのと、入っていないのとでは、大違いになってしまうのです。
そのため現代アートの鑑賞では、「コンセプト」を読み解いたり、コンセプトの表現方法を理解することが重視されているのです。
コンセプトを読み解くことで、目の前の作品がまったく違う次元のものに認識されます。
その結果、鑑賞者の意識は別の次元に運ばれ、新しい経験を得ることができるのです。