“悔しい”は自分だけの実現レーダー

子どもや学生の頃、何かに失敗すると、周囲から「悔しさをバネに頑張りなさい」と言われたことはありませんか。

 
この言葉は、“悔しい” と思う気持ちをエネルギーにして、またチャレンジしなさい。ということです。
 
もちろん、またチャレンジするにはエネルギーが要ります。
しかし、エネルギーがあっても、次のチャレンジに成功の可能性がなければ、全力を注ぐのは難しいものになります。
 
実は、“悔しい” と感じるのは、単なる苛立ちの感情ではありません。
“本来なら実現できた” というものに対して、“悔しい” という感覚が発生するのです。
 
つまり、無意識のうちに自身の力で実現が可能かどうかを識別し、実現が可能なものに対しては、“悔しい” という感覚が発生するのです。
 
“悔しい” は単なる負のエネルギーではなく、実現の可能性を精緻に図る、感情のレーダーなのです。
 

では身近なところで、“悔しい”と思うことを考えてみてください。

例えば、

・予定の時刻に起きられなかった
・朝食を制限できず食べ過ぎた

という悔しい出来事がありました。
どちらも次の日には、達成できる“可能性”が確実にありますよね。

このように、“実現可能”なことに対し、“悔しい” という感覚で反応が起きます。


逆に、“実現不可能”なことには “悔しい” とは感じません。

例えば、日本で平均的な収入があり、平均的な顔立ちの日本人男性が、

・ビル・ゲイツクラスのお金持ちになれていない
・オーランド・ブルームのような顔になれていない

などと、熱烈に “悔しい” と感じることはありません。
当然、
“実現不可能” なことがわかっているからです。


では、これをアート制作で考えてみます。

・イメージ通りのクオリティで描けなかった
・友人と出したコンペに自分だけ落選した

これらも、“悔しい”と感じる度合いが強いならば、次回は実現できる可能性があります。
可能性がないと無意識にわかっているのなら、“悔しい”とは感じないからです。


余談ですが、宝くじなどのギャンブルが外れた場合も“悔しい” と感じるでしょう。
これも当然ですよね。買った瞬間に、当選する可能性は、わずかながら発生しますから。
しかし、みなさん簡単に当たらないことはわかっているため、普通の買い方(30枚で1万円分くらい?)なら、外れても「悔しくて眠れない」とはならないのです。
買えば買うほど、悔しさは膨らむことになりますが。


アート制作に限らず、“悔しい”と感じる出来事があれば、まず落ち込むのではなく、「悔しい感覚がきた!チャンス!」くらいに思って良いのです。

特に“悔しい”という気持ちが大きいほどチャンスです。
達成できる可能性が大きいわけですから、「できるわけない」とチャンスを見過ごすのではなく、そのセンサーを信じて、挑戦すべきです。
 
大きな夢を達成した人を見て、あなたが強烈に悔しいと感じたならば、あなたも同じ夢を達成できる算段が無意識にできているのです。
 
“悔しい” というセンサーに耳を傾け、達成を繰り返すことが、人生を可能性に満ちたものに変化させることになるのです。
 
 
 
 
 
 
 
 

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