箱根彫刻の森美術館で体験できること

 

 
箱根彫刻の森美術館は、広い森林公園に、大きな彫刻が点在する人気の美術館です。
この美術館では、独特の体験をすることができます。
 
その体験は、彫刻の設定にともなって得られるものです。
 
 
彫刻とは、三次元に存在する立体物です。
 
つまり、二次元にある絵画より、空間の自由を手に入れていることになります。
 
しかし、実際の彫刻は、周囲の空間に影響を受けて存在することがほとんどです。
私たちは、空間の制限を無意識に受け入れて、彫刻作品を鑑賞するのです。
 
 
箱根彫刻の森美術館は違います。
 
それぞれの彫刻は置かれた位置にしっかりと存在します。
彫刻は限定的な位置にありながら、背景には広々とした空間が広がっています。
そして同じ高さに彫刻が存在しないよう、様々な高さに設置されています。
 
美術館でも博物館でも、彫刻を見るとき、鑑賞者はたいてい室内という限定された空間にいます。
限定された空間で、限定された位置にある彫刻を見るのです。
 
しかし、箱根彫刻の森美術館では、空間が限定されません。
鑑賞者は彫刻を取り囲む空間から解放されるのです。
 
この解放感は、私たちに普段ない体験をもたらします。
この体験を『パワースポット』と呼ぶ人も多いようです。
 
力強い彫刻が、無限の背景を背に存在する。
 
彫刻が持っている本来の空間における自由を目の当たりにできるということです。
 
 
ルーブル美術館には、息を飲む彫刻群が私たちを迎えます。
 
しかし、広いといえど空間は限定され、動線もそんなにありません。
視界には、彫刻だけでなく、多くの鑑賞者も入ってきます。
 
 
箱根彫刻の森美術館で体験できることは、遠い国の有名美術館でもなかなか体験できない、貴重なものなのです。
 
 
 
 
 
 

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