デッサンで “輪郭線” を使ってはいけない理由

 

 
デッサンとは、モチーフの形を正確にとらえる訓練です。
 
そのため、デッサンを描き進めるとき、丁寧なタッチの積み重ねが必要になります。
丁寧なタッチの積み重ねが、形状の微妙な変化、すなわち “モチーフの正確な形” を写し取れるのです。
 
 
さて、デッサンでは通常、“強い輪郭線” は使用しません。
 
なぜ使用しないか。
それは、丁寧なタッチの集積で築き上げられた、 “形状の微妙な変化“ を壊してしまうからです。
 
“強い輪郭線” は、大まかな形の動きを表現している上、輪郭にある複雑な距離感を “平面化” するのです。
 
“弱い輪郭線” であれば、形状をほのめかす道しるべとなる可能性があります。
それでもやはり、輪郭の複雑さを多少平面化することに相違ありません。
 
丁寧なタッチの集積がデッサンに適しているのに対し、強い輪郭線は瞬時に形状の流れをとらえるクロッキーに適しているのです。
 
両者の特性を理解し、しっかりと使い分けしましょう。
 
 
 
 
 
 
 

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