サイズメリットの “盲点”

 

 
アート作品において、作品のサイズは重要な意味を持ちます。
 
人物画一つとっても、キャンバスF0号サイズに小人サイズに描くのと、キャンバスF100号サイズに人物実寸大に描くのとでは意味が違います。
 
キャンバス0号サイズに描かれた人物画は、“細かな作業に対する感動” が生じますし、描き方次第で、「小さくてカワイイ」といった感情も芽生えるかもしれません。
 
キャンバスF100号サイズに “実寸大” に描かれた人物は、“リアリティ” を持ちます。
なぜなら、サイズが実寸大の人物と “一致” しているからです。
 
例えば、人物画を “ビルの壁面サイズ” に描いたとします。
ビルの壁面サイズの人物画は、“圧倒的なスケール感” をもちます。
 
 
ここまでを見てみると、サイズを圧倒的に “小さく” するか、圧倒的に “大きく” するかしたほうがメリットがあるようです。
 
しかし、ここには一つの “盲点” があります。
 
それは、“どんな” 作品であれ、圧倒的に小さくしたり、圧倒的に大きくすれば、“スケールメリット” が生じるということです。
 
このメリットは、慎重に使用しないと、“作品が本来必要とするサイズ” を見失いかねないのです。
 
 
作品には、“相応のサイズ” があります。
 
作品相応を超えたサイズにする場合は、その “ギャップ” を埋める “何か” が必要です。
それが、「コンセプト」なのか「テーマ」なのかは、アーティストそれぞれが考えなくてはいけません。
 
作品のスケールメリット。それは確かにあります。
しかし、メリットを得るには、“支払うべきコンセプト(テーマ)” が必要なのです。
 
 
 
 
 
 
 
 

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