美術史上ナンバー1の “インパクト作品”

 

 
これまで、いろんなアート作品を見てきて、様々な作品に出会いました。
その中でも、見た時に “インパクトが大きかった作品” は、アートの歴史においても、その役割が小さくないように思えます。
 
フランシス・ベーコンの人物画、ダミアン・ハーストさんの牛のホルマリン漬け作品、パブロ・ピカソの『泣く女』など、インパクトの大きい作品は、歴史上、数々あります。
 
 
そうした “インパクトの大きさ” に絞った中で、私がナンバー1に選ぶならば、
 
やはり、マルセル・デュシャンの『泉』を選びます。
 
 
男子用便器に『リチャード・マット』とサインをしただけの作品ですね。
 
便器に “作品名” と “サイン” を書いただけで作品として終了させる。
これは、当時のアート会に多大なインパクトをもたらしたに違いありません。
 
しかも、作品名をつけることで、“便器” という “意味” は消えている。
“消えた意味” はタイトルの“泉” という “意味” が補う…。
 
すなわちその時点で、どんな評論家が否定しても、“アート作品” として成立しているわけです。
 
 
こうした既製品を使用した作品は『レディ・メイド』と呼ばれますが、ここまで “素直” で “ストレート” なレディ・メイドはないでしょう。
 
“作品名” と “サイン” だけで、モノの価値を180°転換する。
 
この作品は1917年のものですが、現代に生きる私が見ても(図版でしか見れませんが。)、そのインパクトは絶大です。
これからも、後世の人たちにインパクトを与え続けるに違いない作品です。
 
また、便器を扱ったことが何より秀逸です。
 
人々が、“トイレという空間にいる時だけ” 意識するモノを、マルセル・デュシャンは “表舞台” に引っ張り出したのです。
 
 
 
 
 
 
 

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