絵画の作品サイズは、何を基準に設定すべきか

 

アート作品の制作には、常にサイズの検討が必要になります。

美術の教育機関や美大受験では、あらかじめ課題などて、サイズが規定されています。
そのため、「サイズをどうするか悩む」ということはほとんどありません。

ところが、課題などがなく、自由に制作できるようになると、自分でサイズを決めなくてはいけません。

サイズを決める多くの場合は、「なんとなく」や「周りでよく見るサイズ」などでサイズを決めることになります。


ところが、絵画でも彫刻でも、なんとなく作品サイズを決めてしまうと、問題が生じる場合があります。

それが、“展示の機会” です。

作品を展示することになった場合、「展示場所の広さ」と「作品のサイズ」は重要な意味を持ちます。

良い作品ができたとしても、展示場所の広さにマッチしていなければ、鑑賞する人に違和感を与えてしまいます。
そのため、作品の展示は、常に展示場所の広さに合わせることが必須なのです。


グループ展や個展、企画展にコンペなどの展示機会の内、「あらかじめ予定していた展示」については、サイズを検討の上、準備を進められます。

しかし、急遽依頼されるような「予定していなかった展示」については、すでに完成した作品の中から展示する作品を選ばなくてはいけません。

作品サイズの設定は、上記のような “緊急の展示” に備える意識が必要になります。

つまり、通常時の制作から、あらかじめどんな場所で展示することになるかを予想して、作品サイズを展開しなくてはいけません。
100号だけを描き続けるのではなく、30号も描いておく、ということです。

もちろん、“どんな場所” でも対応できるサイズは存在しません。
そのため、“想定しうるサイズ範囲” を決め、そのサイズ範囲の中でも一定のサイズに偏らないように、作品を増やしていきましょう。


 






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