モノは “立体” として成り立っています。
“立体” としてのモノを描こうとする場合、“立体感” を表現しなくてはいけません。
“立体感” を出すには、“明暗表現” が必須です。
なぜなら、光は基本的に一定の方向(主に上方)からモチーフに当たります。
光の当たる角度によって、立体としてのモチーフは、“明るい部分から暗い部分” が生じます。
そのため、モチーフに “明暗表現” を施すことになります。
しかし、この表現には注意すべき点があります。
それは、“暗部による囲い込み” です。
“暗部による囲い込み” とは何か。
それは、モチーフの輪郭近くをすべて “暗く囲ってしまうこと” です。
“明暗表現” で、モチーフを明るい部分と暗い部分を入れれば、 “立体感” は表現できます。
しかし、明るい部分と暗い部分を入れることだけにとらわれてしまうと、場合によっては輪郭全部を “暗く囲ってしまうこと” があります。
こうした “暗部による囲い込み” の何が問題か。
それは、“画面の分断” です。
モチーフの輪郭全体を “暗部” として暗く描いてしまうと、そのモチーフとモチーフ以外の画面の場所が、クッキリと分断されてしまいます。
分断されてしまうと、画面の統一感などが損なわれてしまうのです。
では、“明暗表現” による “画面の分断” を防ぐにはどうするか。
それは、輪郭すべてを “暗部” で囲まず、“明部” をあてることが必要です。
その具体的方法は、次回のエントリーで書きます。