木炭デッサンのコツ

 

前回のエントリーでは、木炭デッサンの “特徴” について書きました。

今回は、木炭デッサンが苦手な人のために、木炭デッサンのコツを書きます。


ではまず、おさらいです。

木炭での描写は、木炭の粒子の細かさや描画材としての柔らかさがあります。

木炭という素材は、その粒子の細かさと、描画材の柔らかさで、「明暗のグラデーション」を自然に表現することができるのです。

そして、デッサンは “単色の絵画” です。

それは、色のない明暗のみの世界を意味します。
明暗のみが表現された世界ということは、明暗を最適に表現できる “木炭” はデッサンとの相性が抜群なのです。

木炭デッサンのコツは、木炭の特技である “明暗” を最大限活かすことなのです。


では、具体的にどうすれば木炭で “明暗” を活かすことができるのか。

それは、
「木炭の粒子を、簡単に消さないこと」です。

木炭デッサンが苦手な人は、描くたびに紙の上に増えていく “木炭の粒子” を過剰に布などで消そうとします。

木炭で画面に描くたびに、布などで消してしまうと、画面の全てが “布で消したグレー” になってきます。
そうすると、立体感のないデッサンが仕上がります。

以前のエントリーでも書きましたが、デッサンは “いかに消すのをガマンするか” が勝負の決め手なのです。

そしてただでさえ、白黒だけの表現なのですから、“木炭を布などで消したグレー” で全体を描くと、立体感は表現できません。

明るい場所と暗い場所、それらの “トーン” はしっかり変えてやる必要があります。

そのためには、明るい場所は “なるべく” 紙を傷めないように、「消す」「擦る」などの処理をしないようにします。

逆に、暗い場所や “反射光” などの箇所は積極的に「消す」「擦る」などの処理をしていきます。

すると、紙の傷んでいない「明るい箇所」と紙の傷んだ「暗い箇所」の差が、光による明暗の差を表現することになるのです。

木炭デッサンが苦手な人ほど、“木炭で描いたままの場所” をそのままにしておくことが不安になり、布や手や練りゴムで “手を入れよう” とするのです。

木炭デッサンのコツをつかむには、明るい場所に多少木炭のタッチが残っても、“そのまま” にして描き進めることです。


 



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