なぜ“成功”を目的としてはいけないか

 

アーティストの多くは、成功を第一の目的にしがちです。

しかし、アーティストとして成功を第一にすることは、
若い男女が、“最大数の異性にモテること”を第一に行動するのと似ています。

その行動は、“自分自身のこだわり” から離れることになります。

“最大数の異性にモテること” は、ファションや振る舞い、合コンへの積極参加など
全ては、多数の異性に “モテるかどうか” が行動の基準となります。

“モテるかどうか” が行動の基準になると、行動に対し“自分にとって楽しいか?” や
“自分にとって幸せか?” など基準が
二の次となってしまいます。すべては“大多数にウケるか”が第一だからです。

“モテることが楽しい”という人もいるでしょうが、それはあくまで、“モテた” 場合の話です。
多くの人は、そうそう思い通りにはモテません。

「少数の人が多くの人に好かれる」から“モテる” と言います。
逆はありませんからね。

つまり“最大数の異性にモテること”は、その目的達成が困難なうえ、
自分自身の“楽しさ”や“幸せ”などとも、離れた行動を続けることになります。
なぜなら、自分自身を見ずに、最大数の他人を見ているからです。

しかも、最大数にモテるには、万人にウケる化粧やファッション、
万人にウケる振る舞いをする努力が欠かせません。
そして万人ウケする内容は、「多くの人にわかりやすい」ため、すぐに消化されます。
つまり、飽きられやすいのです。

「最大数にモテる」という難しい目的を達成しても、すぐに「飽きられる」。
楽しくもないし、幸せでもない。

アーティストが成功を第一に行動した場合も同様です。
万人にウケる作品を作ろうとすると、作品は平凡になる可能性が強まります。

万人ウケの作品は、多くの人にわかりやすい内容にしなくてはなりません。
そのため、“すでに万人に通じた作品をなぞる表面的な作品” になりがちです。

“すでに万人に通じた作品をなぞる、表面的な作品” に内容の深みがあるはずもなく、
深みのない作品は、鑑賞者に簡単に“スキャン完了”できる浅い作品になりがちです。

アーティストは、成功を目指さず、自身の表現を追求すべきです。

それは地味で、成功という陽の目をみるかわからない道のりです。

しかし自分自身で信じて、楽しんでいける道であれば、ずっと進んでいくことが
できるのです。

たとえその道が成功に通じた道か、わからなくても良いのです。

成功を追い求めて自分自身を捨て続けるのではなく、
“自分自身のこだわり” を追い求めてください。

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