日本人アーティストが現代アートの世界舞台で活躍するために、作品に「日本固有のもの」が含まれている必要があるかを検討します。
まず、世界で活躍するアーティストから、作品に「自国固有のもの」が含まれている方をピックアップします。
「アメリカのカルチャーイメージ」を扱う、ジェフ・クーンズさん
「日本のアニメ文化」を扱う、村上隆さん
「南アフリカの人種差別問題」を扱う、マルレーネ・デュマスさん
確かに、世界の第一線で活躍するアーティストは、「自国固有のもの」が作品に含まれています。
村上隆さんや奈良美智さんの作品は、日本文化を代表するアニメスタイルの描写が含まれていますよね。
ジェフ・クーンズさんやアンディ・ウォーホル
では、逆に「自国固有のもの」が作品に含まれていないけど、世界で活躍するアーティストを見てみましょう。
「生と死」を扱う、ダミアン・ハーストさん
「愛と平和」を扱う、オノヨーコさん
「光」を扱う、オラファー・エリアソンさん
こちらのアーティストは、「自国固有のもの」を含んでいませんが、世界にインパクトを与えていますね。
どうやら、「自国固有のもの」を含まなくても、「テーマ」を強烈に作品に表現できれば、世界は評価してくれるようです。
確かに、「日本固有なもの」は世界から見ると魅力があり、他国と差別化ができます。
しかし、日本固有のものを打ち出すのは、“危険と隣り合わせ” でもあります。
なぜなら、外国人が既に持っている “日本的なイメージのひとつ” として処理される可能性があるからです。
作品に「日本固有のもの」を含ませる時は、“日本的” とすぐに想起されるものではなく、“日本テイスト” を含ませる程度が効果的でしょう。
以前にもふれましたが、しっかりとしたテーマが作品の柱になるのです。