身体には、人それぞれ特徴があります。
メンデルの法則ににあるように、身体の特徴は、親から子へ引き継がれます。
肌や髪や目の色、背の高さ、顔の造形…。
では、思考や性格は親から子へ引き継がれるのでしょうか。
メンデルの法則では、身体のどこまでが、親から子へ引き継がれるのかは、はっきりとしていません。
そのため、思考や性格が親から子へ引き継がれるかは不明です。
一方で、育った “環境” も個々の身体に影響を与えます。
幼い頃から外で遊んだり、野外スポーツをつづければ、肌の色は濃くなり、
親からバランスの良い食事を与えられ続ければ、親より背が高くなる可能性も高くなります。
では、“遺伝” と同じ疑問です。
“環境” は個々の思考や性格にまで、影響を与えるのでしょうか。
なぜ、このような疑問を投げかけるか。
それは、モノゴトの限界を測定するために、“遺伝” という言葉が使用されるのを、よく耳にするからです。
ここでの “遺伝” の対象は、個々の能力や思考です。
勉強ができないのは親が頭がよくないから。
足が遅いのは親も足が遅いから。
絵が下手なのは遺伝…。
個々の人間が持つ能力は、すべて遺伝によるものなのか。
それとも、環境によるもので、環境次第で能力や思考は変えられるのか。
これらの問いの答えが、人類の前にでることは、当分ないでしょう。
ならば、どちらをベースに考えれば、ハッピーに人生を送れるかが重要ではないでしょうか。
たとえば、
「“遺伝” が自分自身の能力や思考に大きな影響がある」と考えた場合。
➡︎ すべてが遺伝と考えると、すごく潔いですが、努力や工夫による個々の進化に限界を設けることになります。
なぜなら、“できなかった時の言い訳” が、常に用意されているからです。「遺伝だから仕方ない」と。
一方で、「“環境” が自分自身の能力や思考に大きな影響がある」と考えた場合。
➡︎ こちらは、努力や工夫で環境を変えることができれば、個々の進化に限界がなくなります。
なぜなら、環境の変化の数だけ、進化の可能性も増えることになるからです。
いかがでしょうか。
「“環境” が自分自身の能力や思考に大きな影響がある」と考えた方が、自分自身への期待も高まり、世界を見る目も変わります。
環境を変える努力をすることが、意識の可能性のドアを開きます。
制作で限界を感じたとき、遺伝への責任を問うのではなく、環境を変化できないか、を考えるのが重要です。
画材を変える、アトリエを変える、テーマを変える、アドバイザーを変える…。
遺伝への責任を問う前に、やれることは十分あるのです。