多くの作品を見なくてはならない、本当の理由

 

 
アート関係の学校などで指導を受ける際、多くの、色んな作品を見るように言われたことがあると思います。
 
多くの作品を見ると、アーティストの国籍や時代を超えて、作品の良し悪しがわかるようになります。
 
たとえば、マチスの線の素晴らしさ、ジャクソン・ポロックの画面が持つ奥行き…。
 
多くの作品を見て、作品の良し悪しがわかるようになる。
すると同時に、自分の作品の良し悪しがわかるようになります。
 
画面の構成や色彩などの実制作要素だけでなく、テーマやコンセプトなどの制作軸も、良し悪しが判断しやすくなります。
 
 
ただし、「多くの作品を見る」ことで得られる本当の効果は、作品の良し悪しを判断する力ではありません。
「多くの作品を見る」ことで得られる本当の効果。
 
それは、
“自分自身の趣向がわかる” ことです。
 
アーティストが作品を制作していくには、自分自信の作品に疑問を持っては、アートに携わる意義も揺らいでしまいます。
しかし、自分自身の趣向をしっかりと把握していれば、テーマとコンセプトを決めるのにも、迷いはなくなります。
実制作においても、色や形、構成などで迷いが減ります。
 
 
自分自身の趣向が把握できていない場合、他人の意見、他人の作品に影響を受けやすくなり、長い年月で方向性を維持していくのが難しくなってしまいます。
 
逆に、自分自身の趣向がわかってしまえば、自分が勝負するマーケットを分析することに専念できるのです。
 
『美術手帖』で掲載された話題のアーティスト、『カイカイキキ』のアーティスト、『カオス*ラウンジ』のアーティスト…
時代の潮流にあるアーティストの作品に対し、自分自身の趣向で冷静に影響力を分析することが大切です。
 
 
 
 
 
 

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