アート作品に、世界展開へのローカライズは必要か

 

商品やサービスなど、ある国のものを別の国に進出させる時、進出先の国に合わせて調整することを、“ローカライズ” と言います。

特に日本の飲食店などは、海外チェーンを中心に、多くが日本向けにローカライズします。

食べ物は、直接体に取り込むことになるわけで、普段国内で食しているものと比べ、ギャップの感じ方が激しいからでしょう。
食あたりや発作などが頻発しては問題となるため、国の規制もあるでしょう。

海外の食べ物に慣れてきたお客さんは、より本場の料理を食べたいと思うのものです。
しかし店側としては、“はじめの一歩” を踏み込んでもらうことが重要です。

あまりに本場に近づけすぎ、日本での食べ物とギャップが激しいと、“次” の機会を失ってしまいます。


上記を受けると、アート作品は基本的に “視覚体験” がメインとなりますので、ローカライズは必要ないことになります。

食べ物のように体の中に取り込むわけではありませんから、お客さん(鑑賞者)に本場のアート作品を “丸ごと” 食べてもらえばいいのです。

つまり、作品を現地のアート文化に近づけるような、作品の調整は一切する必要がない、ということです。

独自の視点、独自のテーマ、独自のコンセプト…。
それらが融合した、自分だけの濃厚な作風が確立されてきたとき、その “作品濃度” を落とさず、様々な地域に発信していくべきなのです。


 




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