アートの醍醐味はコレ

 

世の中には、あらゆる価値があります。

バッグ一つとっても、五千円均一で買えるものもあれば、五十万出さないと買えないものもあります。
そして市場に出る大半のものは、
「これは高価そうだな…」
「これはお金かかってないよね〜」
と “モノの価値” に検討がつくものです。

服や食品、住居や電化製品なども価値の検討がつきます。
目利きが見ればイチコロです。

では、アート作品はどうでしょうか。

クリスティーズやサザビーズのオークションに出される、アート作品の落札額。
数億円単位で売買されたことが、ニュースでも村上隆さんの作品価格が話題になることがあります。

そして、多くの人は、なぜ村上隆さんの作品にオークションで億単位の値段がついたか、を疑問に思うわけです。

その疑問を根底から否定したり、アート作品の価格帯を無視する人もいます。
しかし、そこで “なぜ?” と、疑問に向き合ってみることで、アート作品の魅力や醍醐味を知ることができるのです。


「なぜ、村上隆の作品は高額なのか?」
「他の村上隆の作品はどれくらいの額なのか?」
「なぜ、アート作品は高額なのか?」
「他のアーティストの作品は高額なのか?」
「ピカソの作品はどのくらいの額なのか?」


こうしたことを考えることで、高額になった “理由” を検討するきっかけになります。


アート作品が高額になる理由は様々です。


・アーティストの圧倒的影響力に基づく作品価格の高騰
・アートの歴史分岐点になった作品
・著名なアーティストの希少な作品
・著名なアーティスト自身のキャリア分岐点になった作品


など、いくつかの理由があります。


なにより、このようなアート作品の価値について、私がおもしろいと感じるのことがあります。
それは、アート作品の価値には “理屈が通じない” ことです。

たとえば、
「何年も手間暇かけた作品だから」とか、

「高額な画材を使用した作品だから」とか、

「世界的に評価された作品と同じレベルで仕上げているから」とか。


いくら上記のように、理論的に作品の価値を上げようとしても、思うようにはいかないのです。

もしこれが、“計算づくめ” でアート作品の価値をコントロールできたとしたら、“理屈が通じない” という “アートの魅力” がなくなってしまいます。

他にも、エンターテイメントの世界では、“理屈が通じない” 価値があったりします。

理屈的には、決して面白くないはずなのに、大ヒットしてしまうゲーム。
決して歌唱力が高いわけでも、演奏に工夫があるわけでもないのに、誰もが口ずさむ歌。

世の中に理屈が通じないのは、苦しいことにつながるとは限らないのです。
理屈が通じないから、味わえることがたくさんあるのです。


 




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