デッサンは、“モノ” の形状を正確に描く訓練です。
一枚のデッサンを描きはじめるとき、序盤で描いた形が不正確になると、立て直しはかなり労力がかかります。
そのため、デッサンでは描きはじめほど、正確さが必要になります。
では、どうすれば描きはじめで “正確にモチーフ” を描けるでしょうか。
その方法は、
モチーフの “タテとヨコの正確な比率” を把握すること
です。
モチーフの形を正確にとらえるには、基準が必要です。
デッサンでは、基準を多く持っている人が、より正確に形状をとらえられます。
しかし、デッサンの初心者やデッサンが苦手な人は、何を基準にしたら良いか迷うところです。
そこで、まず基準として持ってほしいのが、“タテとヨコの正確な比率” なのです。
デッサンの描き出しの際、まず画面に入れるモチーフの “タテとヨコの比率を測る” ところからスタートします。
たとえば、リンゴがモチーフの場合。
リンゴのタテ(上下の端から端まで)とヨコ(左右の端から端まで)の比率(タテ:ヨコ)を測ります。
結果、タテが「1」でヨコが「1.2」だとします。
この結果をもとに、画面の描きたい位置に「1:1.2」の四角形を薄く描きます。
正確な比率を測り、それと同じ比率で四角形を(薄く)描きます。
この四角形の中にリンゴを描けば、リンゴ(モチーフ)のタテとヨコの正確な形の比率が “維持” されます。
この要領で、モチーフのパーツも描いていきます。
モチーフが複数のとき(静物デッサン)も同様です。
入れるモチーフ全体の「タテとヨコの比率」を正確に画面に入れる。
これで、全体の形は安定します。
描きはじめで、 “上下と左右の正確な比率” を把握する。
描き進めたら、“上下と左右の正確な比率” を把握する。
形がうまく合わない場合は、“上下と左右の正確な比率” を把握する。
といったように、デッサンのあらゆる側面で「タテとヨコの比率」は活躍します。
すなわち、「タテとヨコの比率」をしっかり測る訓練をすれば、正確なデッサンに大きく近づけるのです。