デッサンの “完成” 定義

 

 
絵画制作には 「終わり」があります。
一枚の絵画が「終わり」であるならば、その絵画は “完成” している、ということです。
 
では、デッサンにおいては、“何” をもって “完成” となるのでしょうか。
 
描き込み具合、画面のバランス、描かれた対象の鮮明化…。
人は、いろんな基準をもって、完成 “している” 、完成 “していない” を判断しています。
 
“いろんな判断基準“ がある。ということは、“完成” を断定できる基準は “ない” ということです。
 
そもそも、“完成” を定義するということは、すべての絵画が “同じ基準” を目指して描くことになります。
それだと、“自己表現” としての絵画の意味は、かなり弱まってしまいますね。
 
 
では、デッサンは何をもって “完成” でしょうか。
 
ずばり、“目的の達成” がされれば、デッサンは “完成” です。
 
 
そもそもデッサンの目的は、「モチーフの形状の正確な描写」です。
その目標が達成されていれば、“完成” なのです。
 
 
そして、デッサンに「制限時間」を設けた場合は、その制限時間で達成できるレベルを予測することが大切です。
 
「美大入試だから、3時間しか描けない」
「絵画教室の風景のスケッチ会で、1日で仕上げないといけない」
 
それぞれの制限時間で、やれることは “おおむね” 決まります。
制限時間でやれることが “おおむね” 決まる” ということは、制限時間に応じた “完成具合” があるのです。
 
特に、同じモチーフやテーマを大人数が描く「受験の世界」では、この “完成具合” を判定基準にしています。
 
同じモチーフやテーマを、同じ時間で描いても優劣がついてしまうのは、モチーフの要所要所の “完成レベル” が異なるからです。
 
デッサンのみならず、絵画の制作に取り組む際は、ただ「完成させよう」と漠然と考えるのではなく、「このデッサンで〜したい」となるべく明確な “目標の達成” を目指しましょう。
 
 
 
 
 
 
 
 

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