補色は “天の川” が、お似合い

 

 
絵画には、「色」が必要です。
そして、画材屋さんに行くとわかるように、色には膨大な種類があります。
 
絵具メーカーも、新色を出さないといけない事情もあり、世界に色は増え続けています。
 
そんな中で絵画に取りかかる時、「何色」を使用するかは、非常に迷える問題です。
 
しかも、好きな色を好きなだけ使い、“色” の属性を把握するには、かなりの時間を要します。
できるだけ効率的に “色” の属性を把握するなら、勉強をすることになります。
 
 
そして、色の勉強をすると出てくるのが、“補色” です。
 
“補色” は、色相図で180°に位置する2つの色です。
「黄と紫」「赤と緑」「青と橙」などです。
 
たとえば、明るい場所で「黄」のものを1分ほど見続けたとします。
そのあと、白い場所を見ると、「黄」のものと同じ輪郭の「紫」の “残像” が見えます。
「黄」を見た「目」が、「黄」を見続けるために「紫」を用意するわけです。
 
このように、「補色」は強い関係性を持ちます。
しかし同時に、色相図が正反対であるように、強烈な “対比” をもたらします。
 
試しに、「補色」を “引っ付けて” 並べてみましょう。
 
その接続箇所は、グレーに混ざり、2つの色はどちらも “チカチカ” と見えるでしょう。
これが、「補色」の “対比の強さ” なのです。
 
これだけの “対比の強さ” を持つ2色ですから、使用は “意識的” になる必要があります。
補色を “引っ付けて” 使用するならば、かなりの覚悟と目的が要るということです。
 
私がオススメする「補色の使い方」は、“色彩の天の川” です。
 
つまり、「補色」の間に、“他の色” をクッションとして配色してあげるのです。
それにより、「補色」は “さりげなく” 互いの色を主張できるのです。
 
補色を効果的に使用することは、絵画を魅力的、かつ色彩の効果を高めます。
その対比の強さによるリスクは確かにあります。
しかし、絵画の中でリスクをとることは、“次の可能性” を生むためにも非常に重要なことなのです。
 
ぜひ、補色などの対比レベルが高い色に、チャレンジしてみましょう。
 
 
 
 
 
 
 

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