“アートブック” は捨てられない

 

現代は、多くのものがデータ化されています。
中でも、iPadやKindleによる書籍データ化の流れは、年々増えています。

私も本を読みますが、悩みは “溜まっていくこと” です。
いつ読み返すかわからない本が、だんだんと増えていくのです。

そのため最近では、ほしい書籍が見つかった際は、“極力” 電子書籍で購入するようにしています。

しかし。
『画集』や『写真集』などのアートブックは “別格” です。
過去に購入したものも捨てませんし、新規での購入も現物です。

なぜ書籍の現物を持ち続けるのか。
アートに対する思い入れの強さだけではありません。

それには、3つの理由があります。


1つ目です。
『画集』や『写真集』は、その中身の作品を考慮した “サイズ” になっている。
ということです。
たとえば、作品のスケール感やディテールを強く打ち出すアートブックは “大きなサイズ” 、作品の繊細さやコンセプトによって “小さなサイズ” になったりするのです。

出版サイドが自信を持って提供してくれる書籍サイズは、やはり作品の特徴やアーティストにフィットしています。
書籍をデータ化してしまうと、タブレットサイズに作品サイズが限定されることになります。
現物の印刷のサイズにより見えてくる作品意図は、維持されるべきなのです。


2つ目。
『画集』や『写真集』は、デザインや素材に独自性が強い。
画集や写真集は、1つ目で書いたように、サイズへのこだわりがあります。
それと同様に、作品のコンセプトや特徴に合ったカバーやケースが用意されています。

素材やデザインに凝ったケースやカバー。
それらから取り出したり、重みを感じながらページを開くのは、美術館に入館して第一展示室に入るかのような興奮があります。


3つ目。
人との共有範囲が広い。
iPadであれば、作品データを呼び出し、その場にいる人たちに “画像” を提示、共有することができます。
しかし、そこまでです。

現物のアートブックであれば、デザインや素材など書籍としての “こだわり” までも、その場にいる人たちと共有できます。
また、自分のiPadは簡単に貸し出せませんが、書籍の現物なら “見せたい誰かに” 貸し出すことも可能です。


以上のようにアートブックとは、通常のテキストだけの書籍とは異なり、“現物書籍の特別感” を持っているのです。

そうした “特別なアートブック” を集めることは、大きな喜びであり、楽しみなのです。


 




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