「ヨコハマトリエンナーレ 2014」で見つけた3つの星

 

 
前回のエントリーで『ヨコハマトリエンナーレ2015』の全体の印象を書きました。
今回は、その中で特にインパクトの大きかった三名のアーティストをピックアップさせて頂きます。
 
 
 
一人目。
タリン・サイモンさん
 
写真を展示のメインとするアーティストです。
ある地域の民族や団体、血族ごとに、ポートレートを並べて展示します。
 
ポートレートは、左側に何列かで整列しています。
その右側には、ポートレートに写った血族や患者などがたどる運命を裏付ける、資料の写真が並べられています。
 
その記録は、闘病中の患者写真のように、何かの運命に立ち会う瞬間の人間を直接扱うドキュメント写真ではありません。
しかし、直接運命を扱わないポートレートと資料写真を、左右に無機的に配置することで、余計にそのポートレートたちがたどる運命を想像することになります。
 
 
二人目。
笠原恵実子さん
 
世界中にある、キリスト教の献金箱を撮影した写真作品を展示しています。
84カ国から集めたものが、約10の壁面にびっしりと展示されているさまは圧巻です。
 
献金のために丹念につくられた献金箱は、一つ一つに重みがあります。
それらが一同に集まることで、“信仰” の持つ何らかの力を感じずにはいられません。
 
 
三人目。
張恩利(ザン・エンリ)さん
 
日常にあるものを、丁寧にしっかりと描写した絵画と彫刻で表現します。
 
何気ない布袋や発泡スチロールの箱に、何十年も変わらずにある生活を予感させます。
その生活に向けられた眼差しは、現代社会に対するアイロニーにも見えます。
何をしても、変わらないものは変わらない、と。
 
 
 
以上の三名が特にインパクトが大きいアーティストでした。
 
みなさんも、ヨコハマトリエンナーレに行かれた際は、ぜひご自身に “響く” 作品を見つけてください。
 
 
 
 
 
 
 
 

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