現代アートは、嗜好品で良いのか

 

 
現代アートは、様々な作品が玉石混交で存在しているのが魅力です。
 
多くの作品の中で、世界の先端で認められている作品は、「これまでに存在しなかった作品」です。
これまでにない、新しい “見えかた” を提示している作品が評価されるわけです。
 
この 「これまでに存在しなかった作品」が評価されるという点を見ると、富裕層の料理に対するこだわりが想起されます。。
 
なぜなら、富裕層は、常に “新しい体験をさせてくれるメニュー” を求めているからです。
つまり、一般の人にとって必須とはならない “嗜好品” を求めているのです。
 
 
この “嗜好品” を志向する富裕層の意識は、アート作品においても近いものがあります。
先端のアート界では、常に 「新しい体験」を求める、“嗜好品” を求める人で溢れています。
 
つまり、「生きるのに最低限必要」な作品が求められるのではありません。
これまで良いとされてきたものをひっくり返すような、「生きるのに必須ではない」作品が求められています。
 
 
こうした、「生きるのに必須ではない」作品を“最先端のアート関係者たち”が求めるのは、果たして良くないことでしょうか。
 
ストレートに考えて、それは良いことだと言えます。
 
なぜなら、世の中のすべてのものが、「生きるのに最低限必要」なものに溢れていたら、これほどつまらないことはありません。
 
そもそも、何もかも最低限で良いのなら、人間が進化を求めて新しいモノを生み出すことはできなくなってしまいます。
 
人それぞれが、人生をより深く “愉しむ” ためにも、“嗜好品” を志向することは非常に重要なのです。
 
それが結局、新しいモノや作品を生み出し、人々の充実に還ってくるのです。
 
 
 
 
 
 
 

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