時間と空間がある人に贈る、アートの不文律

 

制作する上で、作品強度を大幅に上げる方法があります。
ここでいう作品強度とは、作品を目にした時の印象の強さ、重みのことです。

ただし、この方法を実施するには、時間と空間がたっぷりある、というのが条件です。
授業にゆとりがあって、広いアトリエがある、大学生の方などにオススメです。

その方法は、

「できるだけ大きな作品に、できるだけ小さな要素をたくさん描く」

です。

なぜそんな方法かというと、個々の作品強度の度合いは、“質量”が比例するからです。

質量を上げるには、一つの作品内に多くの要素が必要です。

多くの要素を作品に入れるには、できるだけ小さな要素を描き、
その小さな要素をたくさん画面に敷きつめることです。

そして、10個入りのビー玉より、100個入りのビー玉(あったとして)が重いように、
10号より100号、100号よりもっと大きな作品で、要素を敷きつめましょう。

もちろん、大きなタッチ、少ない手数で質量を出せる作家もいます。
しかしそれは、確固たる表現とコンセプトを持つ、トップアーティストだけです。

そのため、テーマや表現が定まっていない人は、質量を上げる表現がオススメです。

その表現は既にやっている人がいるからパクリじゃね?
と感じるかもしれませんが、違います。

以下のアーティストは、大きな作品に小さな要素をたくさん描いていますが、
各アーティストで仕上がりは全然違います。

( ※ 名前下URLから、PCは右クリック、スマホは長押しで、
別タブか別ウィンドウで作品画像を閲覧してください。)

池田学さん
http://mizuma-art.co.jp/artist/0030/

梅沢和木さん
http://cashi.jp/lang/ja/kazukiumezawa

佐伯洋江さん
http://www.takaishiigallery.com/jp/archives/4533/

佐藤允さん
http://tokyoartnavi.jp/vision/index046.php

全然違いますよね?オリジナリティあふれていますよね?

また、「納得だけど、すごい努力が要るじゃん?」と思った方。

努力すれば成果が出る確率が高いことなんて、世の中あまりないですよ。
努力で成果が出そうなことは、積極的にやってみるべきはないでしょうか。

でも実際に試そうとした時、要素を何にするかわからない。という人もいるかと思います。
そんな方は、自分が気になるもの、好きなもの、トラウマになっているもの、など
自分史と関係あるものを要素にしてください。

自分と深い関係にあるものを徹底的に描くことは、強いメッセージを持つからです。

ちなみに、私は時間が確保できないため、この方法は実施できません。
しかし、常に作品に質量を持たせるにはどうすべきか、考えています。

今回挙げた方法を実践してもしなくても、アーティストは作品の“質量”を上げ、
価値を持たせなければなりません。

 

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