小さな目標からクリアする、の盲点

 

大きな目標(夢)を叶えるには、目標を細かく設定して、小さな目標から徐々にクリアしていく。

するとやがて大きな目標(夢)も達成できる。

という話をよく目にしますが、これはとても難しいことです。

難しいのには、2つの理由があります。

1つ目の理由は、

「大きな目標につらなる小さな目標は、他の小さな目標とバッティングする」です。

“小さな目標” からクリアしていく。と言われると、確かに簡単に取りかかれそうな気がします。

よく見かけるのは、

「1日にしたことの記録を5行のメモで残す」

「1日にアイデアを10案だす」

「1日に英単語を5個おぼえる」

など無数にありますよね。

一見すると、楽勝なように見える目標ですが、楽勝に見えるがゆえに一日の行動の中で「重視」することが難しいのです。

そして一日の行動の中には、“生活の中の小さな目標” があります。

「昨日受取れなかった郵便物の、配達ドライバーへの電話」

「丸1日、返信してない友人へのメール作成」

「行くか悩んでいた歯医者に今月行くかどうかの判断」

などです。

これらの“生活の中の小さな目標” は、小さいけれども、なかなか無視できない上、ほぼ毎日発生します。

こうした生活の中の小さな目標は、“大きな目標の中の小さな目標” と、1日の中で混在して、バッティングする結果をむかえます。

バッティングの結果、“生活の中の小さな目標” の方が優先されてしまいます。

なぜなら、“大きな目標の中の小さな目標” は、他の日に積み重ねれば取り返すことができる。と、考えてしまうからです。

それが、次の日も繰り返されることになります。

2つ目の理由:

「小さな目標の積み重ねは、大きな目標への方向が変わっていることに気付きにくい」です。

大きな目標を達成するために、日々実施可能な小さな目標に細かく分解したとします。

細かく分解すれば、1日数分から数十分で実施できる小さな目標になります。

そうすると、「こんな小さな簡単なことで、大きな目標が達成できるんだ」と安心感が生まれます。

安心感が生まれた途端に、“毎日こなす” こと自体が目的に変わってしまい、大きな目標への方向性チェックをおこたるリスクが生じるのです。

その結果、出し続けたアイデアが使えないことや、英単語だけでなく英文法が必要だったことに、遅れて気づくことになります。

以上の2点の理由により、“小さな目標” をクリアしていき、大きな目標(夢)も達成

というのは、実は大変難しいのです。

では、どうすれば良いのでしょうか。

シンプルです。

“大きな目標は、できるだけ大きく分解して達成する”

です。

分解された目標は、日々の目標と同じレベルでは優先することができません。

そして細かく分解しすぎると、こなし続けることが目的化し、方向を見失いかねません。

そのため、できる限り大きな目標に近い形で目標を大きく分解するのです。

そうすれば、日々の雑事と張り合うこともなくなり、方向が大きく変わってしまう確率を下げることができるのです。

大きな目標に近いサイズの、“大きめの目標にいつも取り組んでいる” という意識を常に持つことが、大きな目標への近道なのです。

 

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