“自分との約束” より “他人との約束”

 

当たり前ですが、社会に生きる人間にとって “他人との約束” はとても重要です。

友人との待ち合わせ時刻にはじまり、顧客への納品期日、飲食店であれば美味しく安全なものを提供する、どれも非常に重要な約束ですね。


一方、自分自身への決意である、“自分との約束” の重要性はどうでしょうか。


「休日は早く起きる、英語を毎日勉強する、毎月大きな絵を仕上げる…」


どれも将来へ向け、本人にとって非常に重要です。

にもかかわらず “自分との約束” は、必ずしも守らなくて良い、という意味において、“他人との約束”より “義務度” が下がります。

義務度が低い時点で、“自分との約束” は破られてしまう可能性が高くなってしまいます。

禁煙やダイエットも同様です。
これらも、“自分との約束” である限りは、義務度が上がらないため、達成が難しくなります。


“自分との約束” は、将来の自分を形成する上で非常に重要でありながら、その約束は破られるリスクが高いのです。

では、“自分との約束” を守るにはどうするか。

その方法は、“他人との約束” に “自分との約束” を組み込んでしまうことです。

義務度が高く、守らざるを得ない “他人との約束” に“自分との約束” を変換してしまえば、必然的に “自分との約束” が果たされる可能性は高まります。

変換時は、“他人との約束” を広い範囲で考えることが重要です。

例えば、以下のようにして、 “他人との約束” に“自分との約束” を組み込みます。


◼︎ 例1:英語学習

・(変換前)自分との約束
    ➡︎英単語を1年間、毎日5個覚える

 ・(変換後)他人との約束
    ➡︎英会話教室に1年間入会する


上記は、独学で英語を学ぼうとしていた人が、「英会話教室に年間入会する」ことで、「英単語を毎日5個覚える」をしないと授業についていけなくなる。というパターンです。
「英会話教室」という組織(他人)と約束することで、義務度が一気に高まります。


◼︎ 例2:絵画の制作

(変換前)自分との約束

    ➡︎半年で100号を6枚描く

(変換後)他人との約束

    ➡︎半年後に個展をする


とにかく作品を増やそう、とする人の例です。
作品を増やしていくのは重要ですが、ゴールがないまま増やしていくのは困難です。
この場合も、「展示場所(ギャラリー)」という組織(他人)と約束することで、義務度を高めます。


このように、他人との約束を中心にすると、必然的に自分との約束も達成しやすいのです。
自腹を切ったり、多くの人に宣言する、という方法もよくいわれます。
これらも、他人との約束を強める意味で効果的です。

テレビ番組のダイエット企画は、不特定多数の “他人との約束” ですね。
達成されるのも当然です。


 


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