油絵初心者の、最重要事項

 

油絵をはじめたばかりの人にとって、乾きにくい油絵具を扱うことは、面白さであり、難しさでもあります。
画面で油絵具が混ざり合い、変化していくさまは魅力的で、油絵の楽しさです。

一方で、混ざり合いが進み過ぎると、色が濁ってしまいます。

そんな油絵具の特性を強調するかのように、油絵をはじめたばかりの人に見られる傾向があります。
それは、 “画面にどんどん手を入れる” ことです。

つまり、描いたばかりの箇所が、すぐに気になってしまい、今描いたばかりの箇所にすぐ手を入れてしまうのです。
描いては気になり手を入れる、それを画面中で繰り返すのです。
その結果、油絵具は過剰に混ざり合い、意図せぬ色の濁りが生じてしまうのです。

はじめたばかりの人とって、油絵具が混ざり合う様子はとても楽しいため、よけいに色の濁りが加速してしまいます。


そんな状況に陥らないため、油絵初心者が心得るべきことがあります。
それは、油絵具を塗った箇所を、“乾くまで待つこと” です。

これが油絵初心者の最優先事項です。

油絵は、乾かすことでその特性が発揮できます。
画面の油絵具を乾かせば、ドライブラシやグレース技法も可能になりますし、まず “色が濁る” という現象を回避できるのです。

乾かすことで、前に乗せた色と次に乗せる色が “層” になります。
この “層” が油絵の表現の厚みにもなるります。


描いて気になる部分がでると、すぐにでも手を入れたくなります。
しかし、そこで一度、乾いたかどうかを確認してから手を入れるのです。

そして “乾いたかどうか” を判断するために必要なことがあります。

それは、“油絵具が乾いたときのツヤ具合” を覚えることです。
乾いたさまを覚えることで、手を入れるとタイミングを正しく判断できるようになります。


連続で塗り進めることを我慢し、じっくりと油絵の表現方法を増やしていきましょう。


 



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