描写と絵画要素を、極限で調和させる方法

油画や水彩画を描き進めるとき、塗った色が、想像以上に強く主張して、描き直すことがあると思います。
画面を彩る模様や線などの描写以外の絵画要素です。

本来、自分自身の感覚が求める色彩で描いたはずです。
ならばそれを、描き直すのではなく、生かして絵画を仕上げていくべきではないでしょうか。

描写と絵画要素を馴染ませる方法。

それは、描写と絵画要素をそれぞれ明暗で見た時に、その対比が同じようにすることです。
例えば絵画要素となる色が、オレンジだとします。
このオレンジは、明暗にした時、黒さが50%です。
白と黒のちょうど中間のグレーですね。

このオレンジが画面で描写と調和するように描くためには、どの色を使用して描く場合も、黒さが50%の明度にするのです。

そうです。明度を合わせるのです。

そうすると、オレンジの部分の上から、水色で描いても、ピンクで描いても、画面の中で絵画要素と描写が調和します。
(オレンジに水色は、捕色効果がでてくるので、必ず調和するとはいえませんが。)

この調和方法を知っておくと、かなり “ビビッドな色彩” でもコントロールすることが可能です。
ただし、ここで描いたオレンジや水色などは、下地に対して黒さが50%ということを忘れないでください。
下地の黒さを基準値としておかないと、想定外の “色の主張” がはじまってしまいます。

描写と絵画要素の可能性を極限まで引き出すために、しっかりと調和させる技術を身につけましょう。


 





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