サイズの大きい作品が、もたらす効果

 
 
アート作品は、条件や制限を超えて、良いものは良く、面白いものは面白いのが醍醐味です。
何々をしたから絶対良くなる、と保証される表現や技術はありません。
 
しかし、“サイズが大きい作品” については、“サイズが小さい作品” に比べて、優位になる要素があります。
 
それは何か。
“サイズが大きい作品” は、“2回の楽しみ” があるのです。
この “2回の楽しみ” において、“サイズが大きい作品” は “サイズが小さい作品” より優位になるのです。
 
その “2回の楽しみ” とは、
 
 

“離れて見る楽しみ”

 
“近づいて見る楽しみ” 
 
 
です。
 
“サイズの大きい作品” は、まず全体を見られる位置から、“離れて見る” ことになります。
いきなり視界が覆われる位置から作品を見てしまうと、全体を認知できないため、「どんな作品か」という概要をつかめなくなる確率が高まるからです。
 
離れた位置から作品の概要をつかんだあとは、“近づいて見る” ことになります。
近づいて見ることで、
 
「どんな素材を使用しているか」
「どんなタッチか」
「どんな書き込み」
「細部に実は仕掛けがないか」
 
などが認知できます。
これらは、離れて見てしまうと、認知できません。
 
 
上記のように、近づいて視界を覆うほど大きなサイズの作品は、“離れて見る楽しみ” と “近づいて見る楽しみ” という “2回の楽しみ” 経験できます。
 
逆に、あらかじめ視界内にすっぽり入り、数十センチ以内の位置で全体を認知できる “小さいサイズの作品” は、一つの位置で鑑賞が終えられるため、“1回の楽しみ” となります。
 
もちろん、“小さいサイズの作品” だからといって、絶対に “1回の楽しみ” になるわけではありません。
しかし、“小さいサイズの作品” で “2回の楽しみ” をしかけるのは、特殊な設定が必要になってしまいます。
 
 
作品サイズが作品の価値を決定づけるわけではありません。
しかし、作品のサイズは、鑑賞の楽しみかたを “自然と誘導する要素” なのです。
 
 
では、何かあればおしえてね!
 
 
 
 
 

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