超名作の “見えざる” 共通点

 

 
歴史に残る名作には、共通点があります。
特に名作の中でも有名な “超名作” ですと、なおさらです。
 
「共通点」といわれて考える要素としては、
完成度の高さ、テーマの深さ、描写の達者さ、構図の完璧さ…。
 
など様々な点が共通点として考えられます。
 
作品ですと、
 
 
ディエゴ・べラスケスの『ラス・メニーナス』
 
レオナルド・ダ・ビンチの『モナ・リザ』
 
パプロ・ピカソの『アヴィニョンの娘たち』
 
マルセル・デュシャンの『泉』
 
など。
 
 
上記の作品群でも、共通点にとして挙げた要素が、当てはまらないタイプの名画もありますね。
 
では、一体どんな要素が超名作の共通点でしょうか。
表面に “見えない” 要素を意識すると、超名作には共通するものが現れます。
 
 
ディエゴ・べラスケスの『ラス・メニーナス』であれば、
モデルとなる王族や家臣の視点と “鑑賞者の視点” との関係。
 
レオナルド・ダ・ビンチの『モナ・リザ』であれば、
表情の意味。
 
パプロ・ピカソの『アヴィニョンの娘たち』であれば、
裸体の形状の成り立ち。
 
マルセル・デュシャンの『泉』であれば、
作品が既製品である意味。
 
 
上記の超名作にすべて共通する要素。
それは、“謎” です。
 
いずれの作品も、一目見ただけで一瞬で謎が解ける作品はありません。
アーティストの背景や、他の作品との関連性、当時の情勢などを鑑みて “想像” しなくてはいけません。
 
しかも、完全に “謎” が解けてしまう作品も、超名作にはあまりありません。
 
つまり、超名作の前で、歴史を超えて人々は “謎” を考え続けてきたということです。
逆にいえば、大きな“謎” があるからこそ、超名作であるということなのです。
 
一般的な教育やビジネスの場では、「わかりやすさが大切」とよくいわれます。
しかし、アートの超名作の前では、謎があるからこそ、「わかりにくさが大切」ともいえるのです。
 
そして、“謎” を考える行為は、人類が長い歴史を通して愛されている行為なのです。
 
 
 
 
 
 
 

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