美術館などに展示される絵画作品の名作は、「展示」と「保存」どちらを優先すべきでしょうか。
絵画作品は、展示しながら保存できればベストですが、普通の展示方法では両立は厳しいでしょう。
作品を「保存」すれば、後世まで作品を残すことができる。
一方、作品を「展示」すれば、現世のひとが作品の全力を見ることができる。
折衷案としてよくあるのは、“保護した状態” で作品を展示することです。
ガラスやアクリルで作品を保護して展示するわけです。
しかしそれだと、作品のディテールなどは見えづらくなるわけです。
この状態は、展示より保存が優先といえます。
結論としては、作品は “傑作” ほど “ありのまま” 展示すべきです。
ありのまま展示し、その上で “最高の保存処置” を模索すべきです。
たとえ作品が傷んだとしても、作品の最高の状態は “今” なのです。
いくら保存に努めても、時間が経てば経つほど、作品の素材要素は劣化してしまうのです。
ルーブル美術館のモナ・リザを見ればわかります。
保存や保護に固執するあまり、「作品の “ありのまま” が見れない」のです。
あそこまで保存や保護したものを展示しても、それは “展示のための展示” です。
例え、誰かがモナ・リザにダメージを与えるリスクがあったとしても、一人でも多くの人に “ありのまま” のモナ・リザを展示すべきです。
作品の良さを最大に引き立てる展示を実践する。
その展示を現世の人たちが “目に保存する” 。
それが、本当の意味で後世に続く「作品の保存」になるのです。